竜王戦挑戦者決定三番勝負 第2局 藤井聡太王位・棋聖 対 永瀬拓矢王座 2021/8/30 藤井二冠の勝ち

第34期竜王戦挑戦者決定三番勝負 第1局
 (先手)藤井聡太王位・棋聖 (後手)永瀬拓矢王座
     2021年8月30日(月)  於 東京将棋会館
◇過去の対戦 6戦 藤井聡太王位・棋聖の5勝1敗
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    解 説 北浜健介八段、近藤誠也七段、及川拓馬六段
    聞き手 貞升南女流二段、安食総子女流初段

◇対局前
 藤井聡太王位・棋聖は。8:29、永瀬拓矢王座は40分に入室。
 座席は。2冠と1冠から、藤井二冠が上座
8時43分 挨拶をして、駒を並べ始める。
決勝と言うことで、報道陣がうろうろしている。

 駒を盤上に出す藤井聡太王位・棋聖
◇対局開始 10時
藤井聡太王位・棋聖、初手お茶
 ☗2六歩、  ☖8四歩
☚永瀬拓矢王座の8四歩、これで振り飛車がなくなる。
 ☗2五歩、  ☖8五歩、  ☗7八金、  ☖3二金
 ☗3八銀、  ☖7二銀、  ☗9六歩、  ☖5ニ玉
 ☗4六歩、  ☖9四歩、  ☗2四歩、  ☖同歩
 ☗同飛、   ☖2三歩、  ☗2八飛、  ☖8六歩
 ☗同歩、   ☖同飛
☚☗7六歩、  ☖同飛(17)
 ☗8二歩、  ☖9三桂
ここで、昼食の注文。藤井二冠、千円札でお釣りなし
 ☗9五歩、  ☖同歩
 ☗8一歩成、 ☖同銀
 ☗2五飛、  ☖3四歩
☚☗2ニ角成、 ☖同銀
 ☗7七桂
珍しく、藤井二冠が時間を使わない。永瀬王座は小刻みに時間を使う。
 ☖7四飛(21)
この手は9四歩を防いでいて、おとなしい手だが、AI評価は、藤井二冠に63%と振れた。
☚解説の及川六段と北浜八段(左下)
 局面は☖7四飛まで

 昼食休憩に入っている

<昼食>
 藤井聡太王位・棋聖 和風山椒ポークカレー  ☛

☚ 永瀬拓矢王座 肉豆腐弁当 バナナ カロリーメイト

 対局再開直前の二人  ☛
<午後>
☛及川:AIの示している手は指しにくいですね。
☚☗4八王(78+昼食休憩)
 及川六段、貞升女流から、『えっ』という声が漏れた。手が自陣に戻った。AI評価も互角に戻るが・・・
☛及川:さすがに、永瀬王座、この手は読んでいないでしょう。再び、読み直しでしょうね
 ☖8八歩(52)、 ☗同金
☚☖1四角(12)

 互いに、長考を挟み、小刻みに読みを入れていく。
 残り時間に差はない。現在、藤井王位・棋聖の手番
 解説陣尾検討では、6五ひが厳しく、⒍九角成、7八銀、、7九馬、8三角と打って攻め合いで藤井王位・棋聖の方が早いと・・・
 最後は難しくどうなるかわからないという配信向けコメント
 ☗6五飛(43)、 ☖6九角成
☚☗7八銀、   ☖7九馬(27)
 本譜も検討通り進む
 ☗8三角、   ☖6四歩
 ☗7四角成(20)、☖同歩
☚☗6四飛
8八馬には8三飛があり、6八馬、6三飛直成、で、ほぼ詰形になる。7ニ銀なら馬が抜かれてしまうので、金を獲れない。
☚☖7五角(27)
 5七角成の詰みを見せている。AIは6一飛成以外は、すべて、逆転すると読んでいる
 AIの読みを追ってみた。最後の方で、合い駒の関係で、藤井二冠ほぼ勝勢になる

 近藤誠也七段登場、髪の毛を切った?
 左 北浜健介八段、 右 近藤誠也七段  ☛
 今、解説でAIの読み筋を追っている。
☛北浜:人間では、ぽんと金を打つのは考えられない
 ☗6一飛成(32)
☚☖同玉
 さあ、藤井王位・棋聖、見えているのか?
 ☗5八金、  ☖8八馬
 ☗8三飛、  ☖8二飛
 ☗同飛成、  ☖同銀
AIの読み筋通り進んでいる。さあここで、打てるか
☚☗6三金 打ったぁーーー!!!
 ここ数手、勝ちを意識したときの、時間の使いかたの様に見える。
 いつごろからこの手が見えていたのか?将棋の進み具合、時間の使い方から、最低でも39手目の6五飛の時に読み切っていたのだろう。多分、35手目の昼休みを挟んでの長考でこの盤面が見えていたのだろう。途中、6五飛の時、確認の時間を入れたのだろう。
 ☖7一銀

 <夕食>
  藤井聡太王位・棋聖 五目炒飯

永瀬拓矢王座
 豚キムチ弁当&納豆オムレツキムチ入り
☚☗8一飛(20+夕食休憩)
☛近藤:一連の手順の中で、8三飛と打って、8ニ飛との交換から、銀を釣り上げた。これによって、8一の地点を空け、飛車打ちのスぺ-スを造ったのが上手い手順で、6三金打が生じた。
 ☖7九馬(50)
☛藤井王位・棋聖がマスクを外して、盤に向かう。abemaスタッフよると、データから、AI評価が75%以上になると外し、そのまま勝ち切るという。勝ちを意識したときだと話している。
 ☗6五桂、  ☖7二金
☚☗7三桂成、 ☖同金
 ☗同金、   ☖5二玉
 ☗7一飛成、 ☖4ニ玉
 ☗⒍六銀、  ☖6四角
☚☗⒍三金、  ☖4六角
 ☗2一竜、  ☖3一金
 ☗4五桂、  ☖5一飛
 ☗3ニ金
ここで、永瀬拓矢王座が投了
77手で、藤井聡太王位・棋聖の勝ち
藤井聡太王位・棋聖の豊島将之竜王への挑戦が決まった。

極後すぐのインタビューに答える藤井聡太王位・棋聖

これで、豊島将之竜王・叡王との19番勝負となった




<余分な考察>
上記、6三金がいつ見えていたかに関して、手順を通して、推測してみる。
① 7五角の前の6四飛の場面で、6三金が見えていないと踏み込めない
  7五角は、先手に詰みが生じる場面のため、6一飛成以外手がなく、6三金が見えていないと指せない場面、それも、銀を釣り上げ、飛車打の空間を作っておいて、初めて、優勢になる。それが見えていなければ、7五角では悪い局面。その7五角は見え見えの手なので、かなり前から見ていたはず。これを打たせてもいいと思ったからその順に踏み込めた。と言うことはもっと前
② ではどの辺から7五角が生じることが見えていたのか
 1四角打ちから、の手順を見ると、わざと馬を造らせる順で、ほとんど1本道。と言うことで、この時に7五角の読みに入っていて、その先の展開もわかっていなければ、こうは指さない。と言うことは1四角が打たれることがわかる場面と言うことになる
③ 1四角は、その3手前の昼食休憩の時、当然見えていた。
 その後の流れが見えていなければ1四角から6九角成とをささせないはず。つまり3手前の4八王の時。この時、他にも手がたくさんあった。特に8三角打は有力であった。なのに、長考の末わざわざ、王を動かす4八王を指した。本譜の順を読んでいたことは間違いない。それも、その先、6三金から寄せるまでの手順が見えていたはず。
【結論】昼食休憩前後で、かなりの長考したことからも、昼食休憩の4八王を指したとき、この順を選ぼうと決めたと思われる。当然、詰み近くまで読み切っていたと思われる。
 ただ、今回は、序盤、ほとんど時間を使っていないことから、研究範囲にはまったと思える。どこまで、研究していたかはわからないが、ひょっとしたら、上の手順は、研究済みの手だったのかもしれない。時間を使ったのは、その確認のためだった可能性も否定できない。去年、渡辺棋王に完敗した棋聖戦2局目、渡辺棋王は、終局まで研究していて、藤井王位・棋聖はその研究にはまってしまった。今回は、その逆だったことも考えられる。
 いずれにしても、昼食休憩の4八王の時点で、終盤の局面が頭の中にあったことは確かである。

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